第98回東京箱根間往復関東大学対校駅伝競走(1月2~3日)

黄金世代が4年生となって迎えた箱根駅伝。優勝を予想した人は少なからずいただろうが、まさかの予選落ちを想像した人はいなかっただろうと思う。その「まさか」の坂を転げていく流れを(昨年は巻き返した)復路でも、くい止めることができなかった。

出雲、伊勢とも、6位に終わったとはいえ、箱根に期待を抱かせるだけの「見せ場」はつくった。しかし、肝心の箱根では、上位にからむシーンは一瞬たりともなく、昨年の箱根以来つづいていた6位、6位、6位の定位置(低位置)すら越えることができなかった。「さびしいよ~、ゆうしょう、夢ん中~」であった。

1、2、3区に、10000m27分台のランナーを並べるという大学駅伝史上最速の序盤オーダーを組んだが、なぜか空回り。最速とは瞬間最大風速だったのかもしれない。持続する志、持続する力が不足していたということだろう。継続していい練習を積めた選手が少なかったことも、選手層の薄い早大にとっては、致命的だった(ベスト・メンバーで戦えたことが一度もない。ベスト・コンディションで臨んだ選手も少なかっただろう)。ただ、すべては結果論だ。

この敗因を「よそ者」が「ああだこうだ」と(仮定)分析し、予選落ちをあげつらっても意味はない。選手ひとり一人の胸の内に「屈辱」の言葉を刻み込めばいいだけの話だ。野球に例えれば、打っては5者連続三振、守っては5連続エラーという、ほとんど想定できない状況が起ったとしか言いようのない「奇跡のような敗戦」だったのだ。負の連鎖とは、実に恐ろしいものだ。

この奇跡=屈辱をはらす方法は一つしかない。練習するのみ! 練習とは、ただ走ることではない。練習の練は「練り上げる」という言葉があるように、よくよく考えて実践すること。練習の習は、実践・反省を繰り返し、より上を目指すこと。実力上位の人を見習う、つまり「まね」も大切だ。日本中のあらゆる「お手本」をどん欲に求め、練習を持続し、着実に前進していってほしい。「虎は千里を走る」という。人間様が虎に負けるわけにはいかない。走って、走って、走って、虎を追い抜いてやろう。まずは、故障なきスタートを切ること。遠い「千里の道」も「一歩から」だ。

まだ、戦えるメンバーが(ギリギリだが)残っている。選手一丸、切磋琢磨、捲土重来、反攻逆転! 無念さに涙した選手たちは、必ず「屈辱」の2文字を「雪辱」に書き換えてくれるはずだ。

箱根を走った4年生は全員、1月23日に広島で開催される全国都道府県対抗男子駅伝に出場する予定だ。テレビ画面に向かって、皆で、ねぎらいと激励の拍手を送ってあげよう! お疲れさま!

(扉の写真は9区の佐藤航希。宇都宮市・益子氏提供)

●1区(21.3キロ)
<チーム通過順位・個人区間記録>
1位 中 大(吉居大和)1時間00分40秒(区間新)
2位 駒 大(唐澤拓海)1時間01分19秒
3位 東海大(市村朋樹)1時間01分24秒
16位 早 大(井川龍人=スポ科3・九州学院)1時間02分23秒

●2区(23.1キロ)
<チーム通過順位>
1位 駒 大
2位 青山学院
3位 国士館大
4位 東京国際
5位 帝京大
16位 早 大
<個人区間順位>
1位 田澤 廉(駒大)1時間06分13秒
2位 ライモン・ビンセント(国士館大)1時間06分41秒
2位 フィリップ・ムルワ(創価大)1時間06分41秒
14位 中谷雄飛(スポ科4・佐久長聖)1時間08分45秒

●3区(21.4キロ)
<チーム通過順位>
1位 青山学院
2位 東京国際大
3位 帝京大
4位 國學院大
5位 駒 大
13位 早 大
<個人区間記録>
1位 丹所 健(東京国際)1時間00分55秒
2位 太田蒼生(駒大)1時間01分00秒
3位 伊豫田達弥(順大)1時間01分19秒
6位 太田直希(スポ科4・浜松日体)1時間02分23秒

●4区(20.9キロ)
<チーム通過順位>
1位 青山学院
2位 東京国際大
3位 國學院大
4位 帝京大
5位 駒 大
<個人区間順位>
1位 嶋津雄大(創価大)1時間01分08秒
2位 石井一希(順大)1時間01分31秒
3位 飯田貴之(青山学院)1時間01分46秒
6位 石塚陽士(教育1・早実)1時間02分20秒

●5区(21.8キロ)
<往路順位>
1位 青山学院5時間22分06秒
2位 帝京大 5時間24分43秒
3位 駒 大 5時間25分34秒
4位 國學院 5時間25分49秒
5位 順 大 5時間26分10秒
11位 早 大5時間29分15秒
<個人区間記録>
1位 細谷翔馬(帝京大)1時間10分33秒
2位 吉田 響(東海大)1時間10分44秒
3位 若林宏樹(青山学院)1時間10分46秒
11位 伊藤大志(スポ科1・佐久長聖)1時間13分24秒

●6区(20.8キロ)
<チーム通過順位>
1位 青山学院
2位 駒 大
3位 順 大
4位 帝京大
5位 中 大
14位 早 大
<個人区間記録>
1位 牧瀬圭斗(順大)58分22秒
2位 武田和馬(法大)58分40秒
3位 小泉 健(駿河台大)58分秒47秒
19位 栁本匡哉(スポ科2・豊川高)1時間00分03秒

●7区(20.8キロ)
<チーム通過順位>
1位 青山学院
2位 駒 大
3位 順 大
4位 帝京大
5位 創価大
12位 早 大
<個人区間順位>
1位 岸本大紀(青山学院)1時間02分39秒
2位 富田峻平(明大)1時間03分02秒
3位 西沢侑真(順大)1時間04分08秒
5位 鈴木創士(スポ科3・浜松日体)1時間03分48秒

●8区(21.4キロ)
<チーム通過順位>
1位 青山学院
2位 順 大
3位 中 大
4位 東京国際
5位 國學院
11位 早 大
<個人区間記録>
1位 津田将希(順大)1時間04分29秒
2位 佐藤一世(青山学院)1時間04分49秒
3位 中沢雄大(青山学院)1時間05分02秒
5位 千明龍之佑(スポ科4・東農大二)1時間05分23秒

●9区(23.1キロ)
<チーム通過順位>
1位 青山学院
2位 順 大
3位 中 大
4位 駒 大
5位 國學院
12位 早 大
<個人区間記録>
1位 中村唯翔(青山学院)1時間07分15秒(区間新)
2位 平林清澄(國學院)1時間08分07秒
3位 湯浅 仁(中 大)1時間08分31秒
14位 佐藤航希(スポ科2・宮崎日大)1時間10分42秒

●10区(23.0キロ)
<復路順位>
1位 青山学院5時間21分36秒
2位 東洋大 5時間26分25秒
3位 明 大 5時間28分08秒
4位 東京国際5時間28分19秒
5位 順 大 5時間28分23秒
12位早 大 5時間30分48秒
<総合順位>
1位 青山学院10時間43分42秒
2位 順 大 10時間54分33秒
3位 駒 大 10時間54分57秒
4位 東洋大 10時間54分59秒
5位 東京国際10時間55分14秒
6位 中 大 10時間55分44秒
7位 創価大 10時間56分30秒
8位 國學院 10時間57分10秒
9位 帝京大 10時間58分06秒
10位 法 大 10時間58分46秒
11位 東海大 10時間59分38秒
12位 神奈川大11時間00分00秒
13位 早 大 11時間00分03秒

<個人区間記録>
1位 中倉啓敦(青山学院)1時間07分50秒(区間新)
2位 清野太雅(神大)1時間09分56秒
3位 木村 琳(國學院)1時間10分15秒
13位 山口賢助(文4・鶴丸高)1時間10分42秒

2022-01-04