第49回平成国際大長距離競技会(4月11日)

スポーツ推薦入学の選手が4月にいきなり自己新を出したというのは、最近、記憶にない(ボケてるかもしれないが)。ルーキー永山博基(鹿児島実業)が「生きのいい」しかも「老獪な」レースをした。

5000mの最終組は、J・オンサリゴのハイペースに安井雄一、武田凜太郎は中盤まで1歩も譲らず、好記録が期待された。ところが、2800mでオンサリゴがさらにペースを上げ、安井、武田がつけなくなると、なんと!「先輩たちに代わって」3番手に上がり追走したのは永山だった。オンサリゴには大きく引き離されたとはいえ、虎視眈々と前を見すえ、ペースアップにすばやく反応した「レース巧者」ぶりに非凡なところを見せた。先輩たちにはいい刺激になっただろう。

ほとんどの選手が今季の緒戦だった。いいスタートを切れた選手もそうでなかった選手も、この日の結果を「プラスの材料」にして、さらに練習に励んでほしい。屁理屈だが、練習の「練」は自分でよく考え、練り上げていくこと。練習の「習」は学んだことを何度も繰り返し、頭と体に覚え込ませること。これに監督、コーチのアドバイスが加われば、鬼に金棒だ! 今年の早稲田は強くなると信じている(もっとも、ずっとそう思っているが)。

(扉の写真は1400mを通過する上位選手。Wは安井、武田、永山の順。於:埼玉県・鴻巣市立陸上競技場)

●1500m
<12組>
1着 堀 龍彦(東洋大)3分50秒67
2着 生井宏明(東洋大)3分50秒94
3着 新田裕貴(東京国際大)3分51秒09
5着 池山謙太(スポ科4・長岡大手高)3分52秒01
10着 小澤直人(スポ科1・草津東)3分54秒26

なお、11組5着に出場した廣出和樹(教3・愛知豊丘高)は4分00秒80(自己新)で5着。

●5000m
<8組>
1着 大隅裕介(大東文化)14分33秒31
2着 永戸 聖(山梨学院)14分34秒44
3着 池田眞臣(山梨学院)14分38秒85
39着 鈴木皐平(スポ科2・時習館)15分55秒20

鈴

スタート直後から動きの悪かった鈴木は最後まで持ち直せず、苦しいゴール、くやしいスタート戦となった。

<9組>
1着 中村大聖(埼玉栄高)14分25秒87
2着 久保和馬(山梨学院)14分27秒25
3着 青木達哉(NDソフト)14分28秒94
4着 藤岡孝彰(商4・早実)14分29秒25(自己新)
6着 箱田幸寛(スポ科3・世羅高)14分35秒28
10着 大島遼太郎(スポ科3・下妻一高)14分38秒89(自己新)
11着 前野陽光(スポ科4・多摩高)14分38秒97(自己新)
14着 河合祐哉(スポ科2・時習館)14分41秒47(自己新)
17着 浅川倖生(スポ科3・西脇工業)14分44秒16
23着 藤原滋記(スポ科2・西脇工業)14分49秒88
28着 三井泰樹(人科4・山形東)14分56秒36

岡

中盤まで、中団につけていた藤岡は、3300m過ぎのペースアップに合わせて先頭集団の5番手に上がってきた。トップ争いには絡めなかったものの、冷静なレースで、自己新。

箱

2年間苦しんできた箱田に、ようやくステップアップの兆しが見えてきた。もうひと粘り! 自己記録更新は目の前にある。

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後半ジリジリと上がって自己新を出した大島。

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好レースをつづけてきた前野には、この自己新で「踊り場」を抜け、階段を1段上る予感がする。

fuj

相変わらず粘り強く前を拾っていった河合(後ろ)は藤原をも捉えた。1年前には考えられなかったシーンだ。藤原の「反骨心」に期待しよう。

浅

故障なしでレースに出つづける浅川にもそろそろ結果がついてくるだろう。

三2

2000mまでレースを引っ張っていた三井は3000m以降、足が止まってしまった。

<12組>
1着 ジョセフ・オンサリゴ(NDソフト)13分52秒36
2着 佐藤孝哉(山梨学院)14分02秒33
3着 永山博基(スポ科1・鹿児島実業)14分10秒06(自己新)
6着 武田凜太郎(スポ科3.早実)14分12秒86
8着 安井雄一(スポ科2・市立船橋)14分15秒19
23着 中村駿介(社学4.岡崎城西)14分29秒49
26着 清水勧太(スポ科1・中央中等)14分34秒02
36位 柄本勲明(スポ科3・早大佐賀)15分01秒41

永

ラスト1周! 余裕の表情でギアを上げる永山。

安・武

気合十分でレースを引っ張る安井(前)と武田。気合が力みにつながったか? 安井はたくましさが増しているように感じたが。

駿

13分が「足の届くところ」にありながら足踏みをつづけている中村。最終学年で壁を打ち破れるか。

IMG_0247-0

永山の陰に隠れてしまったが、清水も初戦としてはよく粘っていた。

柄

今年に入ってのレースでは後半まで粘れない柄本。ここが踏ん張りどころ。

2015-04-12