順天堂大学長距離記録会(7月7日)

扉の写真をよく見てみよう。西田稜の目は、獲物に照準を合わせた隼の眼をしている(小さい写真で分からないかも)。眼前に見えているのは「自己新」という名の獲物だ。そして、西田は獲物をしっかりつかみ取った。

「狙ったら、外さない」。これは駒野コーチの現役時代の「お家芸」でもあった。B、Cチームの選手たちは、この言葉を肝に銘じてほしい。そして、西田先輩の気迫に学んでほしい。伊澤優人、三上多聞にも、自己記録を絶対に更新するという強い意志と明確な目標があった。そして、わずかながらも目標をクリアした。3選手に共通しているのは、他力本願ではなく、自ら動いて、道を開いたことだ。

夏合宿前、最後の記録会は、当たりもあったが、外れもあった。秋には多くの選手が「大当たり」となって、グラウンドを、ロードを駆け抜けてほしい。「ほしい」だらけの文章になったが、成長して「ほしい」という願いからだ。(於:順大堂大学さくらキャンパス陸上競技場)

●5000m
<1組>
1着 山口大徳(TRACK TOKYO)15分49秒21
4着 武士文哉(文2・高崎高)16分12秒25

<2組>
1着 佐藤晧星(人科1・幕張総合)15分08秒20
23着 辻本活哉(人科2・早大摂稜)16分16秒60

記録はともかく、先頭でゴールすることは大事な「目標」だ(左・佐藤)。未経験から始めた辻本には、まだ壁が厚い。

<3組>
1着 安田優登(市立船橋)15分02秒10
2着 小山日楓(東京農大)15分06秒25
3着 柴田大尊(麗澤大)15分07秒71
6着 茂原將悟(法1・高崎高)15分09秒60
15着 茂木凛平(スポ科1・早実)15分25秒03
20着 河合陽平(スポ科1・時習館)15分33秒20

新人たちのラストスパート。もっともまだスタートしたばかりだ。河合の兄・祐哉も、こんなところから、箱根のメンバー入りを果たしたのだ。左から、茂原、茂木、河合。

<4組>
1着 郷明日翔(帝京大)14分42秒03
2着 森 凪也(中大)14分46秒53
3着 渡邊悠斗(帝京大)14分47秒51
17着 室伏祐吾(商1・早実)15分05秒30
21着 森田将平(スポ科2・修道高)15分13秒71
33着 住吉宙樹(政経2・早大学院)15分49秒64

室伏(前)と森田。

苦しいレースになった住吉。

<5組>
1着 伊澤優人(社学3・東海大浦安)14分34秒38(自己新)
2着 三上多聞(商3・早実)14分38秒65(自己新)
3着 松井尚希(中央学院)14分43秒44
10着 尼子風斗(スポ科3・鎌倉学園)14分55秒05
22着 平子凛太郎(創造理工3・磐城高)15分20秒16
24着 黒田 賢(スポ科3・早実)15分20秒58

なんといっても、伊澤の持ち味は積極性だ。2000mで先頭に立つと、食い下がる三上をに最後まで、先頭を譲らず、押し切った。

苦戦の続いていた三上(左)は、伊澤に闘志をぶつけ、しつこく食い下がった結果、自己新。(右)尼子はなんとか粘って、14分台にい収める。

不本意なレースに終わった平子(右)と黒田。

<8組>
1着 西田 稜(政経4・早大学院)14分23秒70(自己新)
2着 清水颯大(順大)14分23秒96
3着 森田瑛介(帝京大)14分24秒86
33着 向井悠介(スポ科1・小豆島中央)14分57秒39

中盤まで、2分50秒のペースでレースは進んだ。しかしペースが落ち出すと、すかさず飛び出し、3400mからは独走。後続に詰められたラストに課題が残ったが、見事な自己新だった。

日体大のデビューから、まだ記録は伸びていないが、可能性を秘めた走りに魅力あり。

<9組>
1着 塩尻和也(順大)13分55秒51
2着 遠藤大地(帝京大)14分09秒41
3着 岩佐壱誠(帝京大)14分11秒71
6着 千明龍之佑(スポ科1・農大二高)14分16秒29
20着 新迫志希(スポ科3・世羅高)14分29秒41

ペースが速くなるのを予測したか、千明はじっくりとかまえ、中盤以降、じりじりと上げていった。2700mでは新迫をとらえ、置き去りに。このペースになれれば、13分台にはすぐ届きそうな、力強い走りだった。

 

あの新迫は、どこにいったのだろうか。まだ、戻ってこない。1400mで新迫は、塩尻(右)の2番手につけ、このまま2選手の一騎打ちになるかと思われた。しかし、新迫の「食い下がり」も長くは続かず、2500mではレースの流れ自体についていけなくなった。

2018-07-08