2冠目もクリア。53年ぶりの総合優勝!

熊本県民総合運動公園陸上競技場で、3日間にわたり熱戦を繰り広げた第80回日本学生陸上競技対校選手権大会は、9月11日、早大の53年ぶりとなる総合優勝で幕を閉じた。

最終種目の4×400mリレーを残して、日大66点、早大62点、中京大61点という大接戦。各校とも、マイルリレーにすべてを託すことになった。早大の絶対条件は2校に先着したうえで、日大より4つ順位が上であること。単純に自力優勝ができる状況ではなかった。

厳しい条件とプレッシャーのなか、牧野武、原嶋智大、濱野純平、浦野晃弘が完璧につなぎ、予選で出した3分06秒48の早稲田新記録をさらに塗り替える3分06秒12をマーク。優勝した中大と僅差の2着に飛び込んだ。日大が6位だったため、両校ともに69点! 規定により優勝種目の多かった(早大は1500m/大迫傑、やり投げ/ディーン元気、棒高跳び/笹瀬弘樹。日大は10000m/ベンジャミン)早大が総合優勝(トラック優勝、多種目優勝も)を勝ち取った。

早大はフィールド種目のコマ不足が懸念されていた。しかし、日大と明暗を分けたのはフィールドの優勝者数だったのだから、流れとは不思議なものである。

さあ、ここからは長距離ブロックが勢いを引き継ぎ、2年連続3冠という空前の記録に挑む!

総合優勝を決めた瞬間(正確にいえば、このあと日大が6位でゴールした瞬間だが)。

●女子10000mW
1位 岡田久美子(立大)46分48秒76
2位 前田浩唯(立命大)47分38秒69
3位 大和千秋(中部学大)47分50秒36

15位 野田泰代(早大)50分27秒49

野田は、岩手大・阿部(14位)と競り合いながら粘り強く前を拾っていった。後ろは1周先行の東学大・加賀。

●男子3000mSC
1位 山口浩勢(城西大)9分03秒06
2位 天野正治(奈良産大)9分03秒39
3位 大迫聖晃(帝京大)9分04秒19

13位 工藤晧平(早大)9分22秒03

暑さのため当然のようにスローになった展開。工藤は序盤こそ好位置だったが…。

後半はまったく動けなかった。なかなか結果を出せない工藤。千葉クロカンのときの輝きを取り戻してほしい!

<総合得点>
1位 早大69点
2位 日大69点
3位 中京大67点

勝利の女神は土壇場で早大に微笑んでくれたが、ひょっとすると女神は蔭山だったのではないか。この日、計8本目のレースとなった200m決勝で、2日目に100mを制した今井沙緒里(至学館大、世界選手権リレーメンバー)の追撃を振り切り優勝。早大の熱風は彼女から巻き起こされていたような気さえする連日の奮戦だった。

100mとは打って変わって鮮やかな先行逃げ切りの蔭山。手前が今井。

最終日、貴重な8点を獲得した笹瀬。前日は、4×100リレーのアンカーを務めた。バトンがうまくつながらず8位に終わり、憮然として引き上げていったその表情には、インカレ優勝に賭ける強い思いが確かに刻まれていた。

 

2011-09-12